埼臨技会誌 Vol
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【はじめに】当センターでは,患者に負担をかけない採血を心がけている.近年,患者数は横ばいだが,採血の待ち時間は大幅に減少している.また,患者へ安全で安心な採血を行うために,新人職員が入職すると,採血業務の研修を行っている.今回,新人職員の採血業務研修の概要を紹介する.【業務内容】外来患者の採血・採尿受付と採血(出血時間検査,糖負荷試験,臥位採血,治験・臨床研究採血等を含む),入院初日の患者採血,脳ドック患者の採血,尿素呼気試験,病棟採血管の払出し,病棟採血の管理等.【研修目的】①採血手技を習得する.②採血・採尿業務におけるトータルシステム,特に採血業務アシストソリューション,BC・ROBO等の使用方法と運用を理解する.③検査の説明と患者に対する接遇を学ぶ.④緊急時の対応(患者の様態急変時・システムダウン等)について確認する.【研修内容】①採血用DVD視聴(標準採血法ガイドライン)②採血練習(先輩技師,健診時の職員)③外来採血業務の説明(受付の説明,採血システムの説明)④検査技師が行う病棟採血の見学⑤接遇研修(新人職員研修)⑥各自が必【はじめに】超音波検査はスクリーニング検査や人間ドックなどに広く用いられている.しかし,超音波検査は検者依存度が高く,担当者の知識や経験により差が生じるため各施設にて研修等を行ってから一人立ちをすることが多い.今回当院での一人立ちの為の研修が超音波検査習得の他に,職員全体の意識改革につながった為,当院における超音波研修の取り組みについて報告する.【方法】検査育成対象者5名は,まず座学として超音波解剖・用語・検査実施時の注意点・患者接遇・検査実施方法について事前学習を実施.その他に当院で得た症例動画にて,検査画像や所見結果を学習した.次に被検者となる職員を,事務長を中心に各事務部門の責任者の協力を得て募集を行い,約20日間の研修を実施した.その後,事務職員に設備・環境・技師に対する接遇面や被検者体験で学んだことなどについてアンケートを行った.【結果】育成対象者5名は事務職員を被験者とし,20日間の研修後,2か月程度患者を対象として指導者とともに検査を実施したことで,短期間にスキルを高められ,超音波検査を習当センターの臨床検査技師に関して連絡先:048-647-2111(内線2653)100採血業務における新人職員研修の概要について当センターの臨床検査技師に関して当院における人材育成の取り組みについて(超音波検査について)◎村上 綾1)、石井 香帆1)、中山 愛美1)、増子 由華1)、金井 邦之1)、武関 雄二1)、藤野 真治1)◎村上 綾1)、石井 香帆1)、中山 愛美1)、増子 由華1)、金井 邦之1)、武関 雄二1)、藤野 真治1)自治医科大学附属さいたま医療センター1)自治医科大学附属さいたま医療センター1)◎大森 有華1)、本多 晴香1)、石井 宏実1)、岡村 和美1)、野口 優1)、八木下 有美1)、小島 直美1)、濱田 昇一1)◎大森 有華1)、本多 晴香1)、石井 宏実1)、岡村 和美1)、野口 優1)、八木下 有美1)、小島 直美1)、濱田 昇一1)医療法人社団協友会 メディカルトピア草加病院1)医療法人社団協友会 メディカルトピア草加病院1)要に応じて採血の練習を行う.【効果】採血業務が理解でき,早急に業務に対応できるようになった.また,採血に関する知識と手技を学ぶことができた.事前に研修しておくことで,新人職員の緊張緩和になり落ち着いて業務ができるようになった.【まとめ】採血は一般的に,経験年数に比例して上達すると言われている.採血は新人のうちは緊張と不安が交錯し,失敗を助長することがある.したがって,採血業務に入る前に研修を行うことは大変重要である.当センターの臨床検査技師に関しての採血業務における新人職員研修は,標準採血法ガイドラインのDVDで視覚的に確認し,実践で採血システムや採血手技を習得することができる体制になっている.今後の課題としては,VVRや採血時に万が一起こる可能性のある神経損傷,その他患者急変時の対応をマニュアル化し訓練することが必要と考える.また,技師会で企画する研修会に積極的に参加して,採血に関する知識と技術の向上に努めたい.得することができた.また,事務職員のアンケート結果は,今後の業務に生かせると答えた職員が90%以上を占め,事務職員の「気づいたことアンケート」から,検者は患者視点の意見を認識することができた.【考察】超音波習得の研修会を行ったことで,効率的な技術指導の結果,短期間で超音波検査を実施できる技師を複数育成できた.また,職員同士の気安さから患者視点でなおかつ自由な意見を直接聴取することができ,今後の患者接遇に生かせる良い機会となった.更に,事務職員が検査内容を理解することで,事務職員が患者の疑問に答えられる機会が増え,臨床検査技師の業務軽減につながった.【結語・まとめ】今回の取り組みでは,効率的な技術指導,更には事務職員に被験者協力を依頼したことが,事務職員にとって検査内容が把握でき,検査科にとっては今まで気付かなかった問題や患者視点の意見を認識することができた.今後も業務の質の向上,他部署との質の高い連携を取るために,今回の研修を継続していくことが重要である. 連絡先:048-928-3194(内線121)採血業務における新人職員研修の概要について当院における人材育成の取り組みについて(超音波検査について)教-2(第8会場 9:50~10:26)教-3(第8会場 9:50~10:26)EntryNo. 36EntryNo. 61

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