埼臨技会誌 Vol
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輸 血113~安全確実な輸血療法に向けて~当院の輸血委員会巡視活動当院における血液製剤廃棄率削減に向けた取り組み◎瀧澤 光彦1)、倉持 善伸1)、大森 智弘1)、小関 燈1)、佐藤 俊行1)◎瀧澤 光彦1)、倉持 善伸1)、大森 智弘1)、小関 燈1)、佐藤 俊行1)独立行政法人 国立病院機構 西埼玉中央病院1)独立行政法人 国立病院機構 西埼玉中央病院1)◎酒井 美恵1)、細沼 祐希1)、長谷川 卓也1)、菊池 裕子1)◎酒井 美恵1)、細沼 祐希1)、長谷川 卓也1)、菊池 裕子1)医療法人社団愛友会 上尾中央総合病院1)医療法人社団愛友会 上尾中央総合病院1)17.4%(190単位)と比較して,2016年度は 位)と減少した.2017年度は地道な広報活動が実を結び 7.4%(80単位)と減少し,廃棄金額も約145万円から約71万円へと大幅に削減する事ができた.【考察】輸血用血液製剤についての研修では,O型異型血輸血に対する意識の違いやT&Sの重要性を浸透させることが認識できた.また期限等の製剤状況についても従来無関心であったが,検査室の取り組みとして院内周知に一定の効果があったと思われる.今後の取り組みとして,自己血輸血の推進等クリニカルパスを利用し更なる輸血用血液製剤の適正管理に寄与したいと考えている.【結語】輸血用血液製剤廃棄率削減について5%を目標として更なる活動に取り組みたいと思う.【はじめに】輸血用血液製剤の廃棄血削減への取り組みは適正使用と国内自給の原則からも重要な課題である.現在病床数が多い施設ほど廃棄率は下がるという成績が発表されているが,当院を含む中小規模施設での廃棄率は依然として高いのが現状である.今回は廃棄率削減に向けての取り組みにより,一定の成果が得られたので報告する.【方法】①輸血療法委員会での各科啓蒙と在庫血単位数の見直し ②医療安全委員会研修での全職員への周知 ③院内メールを利用した広報活動【結果】輸血用血液製剤の依頼・取り扱い・在庫および廃棄状況を輸血療法委員会と医療安全委員会研修を通し全職員周知とした.特に関係部署に関しては院内メールにより期限間近の製剤情報を配信し有効利用を促した.また,年間使用数と廃棄血数を洗い出し適正な在庫血単位数を割り出し会議にて了承を得た.本活動により2015年度,照射赤血球液廃棄率【はじめに】当院では2006年より,輸血委員会の活動として「輸血療法の実施に関する指針」(厚生労働省医薬食品血液対策課)に基づき,安全で適切な輸血実施の徹底を目的とする院内巡視を実施してきた.今回,従来の方法では不明瞭であった実際の現場における輸血実施について評価する方法を提案し,巡視方法の見直しを行った.その結果と評価について報告する.【評価方法】従来の巡視方法は,巡視部署にて対応する代表看護師よりデモ製剤で実技と基礎知識の確認テストを実施し,その結果を部署評価として判断していた.実際の輸血現場を巡視することが出来なかったためこの方法で行ってきたが,あくまで模擬試験であり,本当に患者に対し実施できているかの評価はできずにいた.そこで新しい評価方法として,輸血手順の評価シートを作成し,輸血を行う患者担当看護師に輸血実施後,自身の手順を振り返り評価をしていただいた.1部署における輸血実施件数5件を対象に実施し達成率90%未満の部署を委員会巡視対象として結果を集計した.委員会巡視結果は達成率80%以上を目標に評価し,委員会評価広報活動を中心に連絡先-04-2948-1111内線(8964)の低い部署は勉強会等によりフォローアップを行った.【結果】評価シート実施部署は計13部署に実施,そのうち達成率を満たしていない部署が3部署あった.その3部署へ委員会巡視を実施し,結果は73%,89%,90%であった.3部署のうち,2部署は目標の80%以上を達成したが,1部署は委員会評価として輸血療法における基礎知識が足りない点が多く見受けられた.その部署には評価結果をフィードバックし,院内の輸血療法マニュアルを基に勉強会を実施,輸血手順の周知を行った.【まとめ】実際の輸血手順に対する評価を取り入れることで実践として確実に出来ているか把握ができ,院内巡視をより効果的に行うことができた.活動を通して輸血療法に係わるスタッフの意見を抽出することは,様々な立場による輸血療法のリスク分析にも繋がると考えられる.今後も巡視方法を見直し活動を継続していくことがより安全な輸血療法のために重要である.【連絡先】048-773-1111(内線2416)13.7%(134単EntryNo. 35EntryNo. 81当院における血液製剤廃棄率削減に向けた取り組み当院の輸血委員会巡視活動~安全確実な輸血療法に向けて~広報活動を中心に輸-11(第9会場 13:43~14:10)輸-12(第9会場 13:43~14:10)

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