埼臨技会誌 Vol
129/135

127凝固時間検査(PT、APTT、フィブリノゲン)と高感度ラテックス免疫比濁法(BNP、PCT)の有用性 ○須長宏行、澤村秀夫、新谷谷垣正記、舘野有佳(積水メディカル株式会社 東日本営業所 学術・技術担当) 「臨床化学」の対象領域は現在大きく広がりつつあるといえる。それを反映していると考えられるのが「日本臨床化学会 年次学術集会」のプログラムであり、関連領域との共催シンポジウムや教育講演のテーマに対象領域の広がりが表れており、その一つが「血栓・止血領域」であろう。 「血栓・止血領域」で用いられる基本検査項目は、主に血液凝固自動分析装置で測定が可能な「凝固時間項目」、「合成基質項目」、「ラテックス免疫比濁項目」の3項目である。 以下に、その3項目とその主な検査項目を示した。 <凝固時間項目> プロトロンビン時間(PT) 活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT) フィブリノゲン(Fgb) <合成基質項目> アンチトロンビン(AT) プラスミノゲン(PLG) アンチプラスミン(AP) <ラテックス免疫比濁項目> FDP(fibrinogen/fibrin degradation products) Dダイマー 可溶性フィブリン(SF) しかし、「合成基質項目」と「ラテックス免疫比濁項目」については、汎用自動分析装置の方が「検体を採取するプローブ」の精度管理・再現性に優れていたことから、血液凝固自動分析装置よりも歴史的に先に普及してきた。 すなわち、汎用自動分析装置が、唯一、未開拓であった凝固時間検査を可能にしたのが、次世代の汎用自動分析装置といえる「日立3500」である。 そもそも検査終了時のキュベット内で血漿由来検体が凝固していたのでは、そのゲル状物質を効率よく完璧に取り除くだけでも、時間およびコストがかかりすぎる。それを解決するために、凝固時間検査の専用分析ユニットを搭載することにより、ブレークスルーを果たしたのが「日立3500」である。 今回、紹介するのは凝固時間の検出に700nm(赤色)の発光ダイオード(LRD)を用いた散乱光度法を採用した凝固時間検査(PT、APTT、Fbg)と、同時に散乱光の特長を生かして低値安定性を可能にした高感度ラテックス免疫比濁法(BNP、PCT)の試薬である。 これまで、積水メディカルは弊社のストロングポイントであるラテックステクノロジーを活用した製品群を開発してきた。従来法では化学発光を使用していたが、ラテックス免疫比濁法とモノクローナル抗体のコラボレーションにより、「ナノピア®PAI-1」、「ナノピア®IL-2R」そして「ナノピア®TAT」の開発を可能にした。今回の「日立3500」に搭載される製品群は、専用試薬として日立3500用「ナノピア製品LEDによる散乱光を用いて高性能化を実現した汎用自動分析装置日立3500の特長 ○須長宏行、澤村秀夫、新谷谷垣正記、舘野有佳(積水メディカル株式会社 東日本営業所 学術・技術担当)群」に使用するラテックス粒子径と「日立3500」の散乱光度分析計との至適条件を追及して到達した結果ともいえる。 以上のような背景をもとに、積水メディカル株式会社東日本営業所より、凝固時間検査(PT、APTT、フィブリノゲン)と高感度ラテックス免疫比濁法(BNP、PCT)の有用性について紹介させて頂きます。 <連絡先>TEL:048-729-5460 住所:さいたま市大宮区宮町1-114-1 ORE大宮ビル7階 資料請求先:0120(249)977 <ナノピア®BNPのリーフレットより> CM-11(第6会場 10:36~11:13)LEDによる散乱光を用いて高性能化を実現した汎用自動分析装置日立3500の特長凝固時間検査(PT、APTT、フィブリノゲン)と高感度ラテックス免疫比濁法(BNP、PCT)の有用性

元のページ  ../index.html#129

このブックを見る