埼臨技会誌 Vol
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128【はじめに】 現在,便潜血検査は大腸がん検診の一次スクリーニングとして,広く普及しています.日本国内では免疫学的な検査が主流であり,検査試薬メーカーそれぞれのコンセプトのもとに製品開発がなされています.今回,あらためて,弊社の便潜血検査試薬と機器(HM-JACKⓇシリーズ)について開発コンセプトと今後の展開についてご紹介いたします. 【目的】 弊社の便潜血検査試薬と機器について,開発コンセプトは,「正確」,「安定」,「使いやすい」の三点です. 弊社の便潜血検査関連製品の特徴としては,①ラテックスを使用した免疫法であること,②検出系に積分球濁度計を使用していること,③便採取量がとても少ないこと,です.これらの特徴について説明いたします. 【特徴】 1.試薬 弊社の便潜血検査試薬はラテックス生産技術の応用を根幹としています.ラテックスを使用するメリットとしては,幅広い測定レンジ(7~400ng/mL)や高い感度(最少検出限界として1.2ng/mL)を実現できたことです. 2.検出系 一般的な検出器としては分光光度計が普及していますが,弊社は積分球濁度計を採用しています.元来,積分球濁度計は水質検査の分野で広く使用されていましたが,それはわずかな水の濁りから濁りの濃い状態を数値化して捉えることが出来るためです.弊社の便潜血自動分析装置では,積分球濁度計による測定で濁りによる数値の変化をとらえることが出来ます. 3.検体採取から検査まで 検体採取は採便容器で行いますが,弊社の採便容器は他社と比較した場合,採取量が少なく設計されています.これは,弊社試薬を用いる測定により,採取する便の量が少量でも目的物を検出できる,という弊社試薬の特徴を最大限活用したものです.採取量が少ないことは,検診を受ける方のメリットになると考えております. 【まとめ】 弊社は,上記特徴を有する便潜血検査試薬と機器(HM-JACKⓇシリーズ)の開発を行ってまいりました.今後も,検査試薬・機器の開発と販売を行うメーカーとしての基本理念を大切にしながら,幅広い視野でオリジナリティのある便潜血検査試薬,機器等を提供してまいります. 「全自動便中ヒトヘモグロビン分析装置 HM-JACKarc®」の外観図 ○田島 順一(協和メデックス株式会社 CR推進部)弊社の便潜血検査試薬と機器開発におけるエッセンス ○田島順一 (協和メデックス株式会社 CR推進部) 弊社の便潜血検査試薬と機器開発におけるエッセンスCM-12(第7会場 9:58~10:35)

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