埼臨技会誌 Vol
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心臓リハビリテーションチームに参加して 磯山 公一(さいたま赤十字病院) チーム」が設立された.チーム医療の..「心臓リハビリテーション準備チーム」は,循環器内科医..定を取得すると,「心臓リハビリテーション準備チーム」は47「心臓リハビリテーション」と聞いて何を思いつくだろうか.臨床検査技師である私たちが最初に思いつくのは,おそらく「CPX」ではないだろうか. CPX(Cardiopulmonary Exercise Test)とは,呼気ガス分析を併用しながら行う運動負荷試験である.CPXで分析するガス濃度の差をそれぞれ酸素摂取量(V.O2)と二酸化炭素排出量(V.CO2)とよぶ. って各運動強度におけるV.O2とV.CO2を評価し,異常が現れる呼気ガスは酸素と二酸化炭素であり,吸気と呼気に含まれ負荷量が直線的に増加するランプ負荷を用いることによる「被検者の運動レベル」を知ることができる.すなわちその被検者の日常生活レベルで異常が現れているのか,それとも日常生活ではあまり必要としない高強度なレベルまで異常が現れないのかを知ることができるのである. 呼気ガス分析ではV.O2とV.CO2の他に,一回換気量(TV)と呼吸数(RR)を測定しており,上記4項目を用いて分時換気量(V.E),V.E/V.O2 ,V.E/V.CO2 ,V.E vs. V.CO2 slope をリ者の嫌気性代謝閾値(AT値)を求めることがCPXの目的である. AT値が心臓リハビリテーションを行う際の重要な数値であることは,周知のとおりであろう.CPXにおいて,私たち臨床検査技師は「正確なAT値」を導き出すことを要求されアルタイムで算出する.これらのデータを総合判断し,被検ている. 当院では2015年11月に新病院移転に合わせて心臓リハビリテーションを導入することが決定し,翌12月に「心臓リ..ハビリテーション準備一員として臨床検査技師にも参加してほしいとの要望を受け,検査部から2名がチームに加わりCPXの新規導入に向けて準備に取り組むこととなった. 師2名,循環器内科一般病棟看護師4名,CCU病棟看護師4名,リハビリテーション科理学療法士5名,事務員3名,臨床検査技師2名の合計20名で構成され,心臓リハビリテーションとは何なのか,どんな患者が対象となるのか,必要となる「物」「人」「場所」は何か,といったことに対し月に一度の会議や勉強会を重ねた.その中で各部署からの意見を出し合い,当院で行える最良のものを目指した. 2017年1月に無事に病院移転が終了し,翌2月に施設認役目を終え,新たに「心臓リハビリテーションチーム」として本格的に活動を始めた.現在,週に一度患者カンファレンスを行い,月に一度定例会議を行っている. 私が「心臓リハビリテーションチーム」に参加してから1年半が経過した.心臓リハビリテーションは順調に稼働をしていると思われるが,ひとつ気になることがある.私たち臨床検査技師は,果たして「心臓リハビリテーションチーム」の一員として役に立っているのだろうか?ということである. 心臓リハビリテーション導入時は,臨床検査技師としてチーム医療に参加しているという自負があった.「心臓リハビを求められたり,こちらから疑問点や改良点などを提示したりできたからである. しかし「心臓リハビリテーションチーム」が本格稼働を始めると,私たち臨床検査技師ができることは,CPXの検査において「正確なAT値」を導き出すことにとどまっているのが現状である. もちろん「正確なAT値」を導き出すことは重要なことでンに携わっているといえるのであろうか. チーム医療とは何か? 心臓リハビリテーションとは何か? 臨床検査技師はどう携わっていくべきなのか? あるが,それだけでチーム医療として心臓リハビリテーショ今回,心臓リハビリテーションを通じて,チーム医療について感じたことを話したいと思う.皆さんももう一度,チーム医療について考えてみてはいかがだろうか. ..リテーション準備チーム」での会議や話し合いの中で,意見連絡先:048-852-1111 (内線20370) 磯山 公一…(さいたま赤十字病院) 心臓リハビリテーションチームに参加して

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