埼臨技会誌 Vol
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免疫血清微生物69検出菌はCNS(coagulase-negative-staphylococci)が最も多く29.2%,次いでEscherichia coliが17.2%であった.【まとめ・考察】血液培養検体の複数セット採取率は年々増加し,2015年以降は90%を超えており,複数セット採取が広く周知されてきた.増加した背景として,検査科やICT主催の講習会実施などが考えられる.CUMITECH血液培養ガイドラインでは陽性率は5~15%を適正と評価している.当院では複数セット採取率の増加に伴い,2015年度以降15%を超える結果であった.更なる適正化を推進するためには陽性検体の個別調査を実施し,汚染率の算出と対策が必要であると思われる.連絡先:048-965-2221(内線2255)ケミルミ インタクトPTHの基礎的検討当院における血液培養実施状況と分離菌について【はじめに】インタクト副甲状腺ホルモン(以下インタクトPTH)は,高カルシウム血症及び低カルシウム血症の鑑別診断の補助や,骨粗鬆症などの骨代謝異常の評価及び管理に有用である.今回我々は,従来試薬よりも検体量が減少したケミルミ インタクトPTH(以下検討試薬)について基礎的検討及び容器移し替えによる影響を検討する機会を得たので報告する.【方法】(1)同時再現性(2)日差再現性(3)希釈直線性(4)検出限界(5)共存物質の影響(6)相関性の検討(7)保存安定性(8)容器移し替えによる影響【結果】(1)3濃度の専用コントロールを10回測定したCV%値は,全て3%以内だった.(2)2濃度の専用コントロールを7日間測定したCV%値は全て5%以内だった.(3)高濃度のキャリブレータを10段階希釈し2重測定した結果,1739.50pg/mLまで直線性を認めた.(4)プール血清を用いて5つの希釈系列を作製し,5回測定した±2.6SD法による検出限界は1.06pg/mLだった.(5)シスメックス社の干渉チェックAプラスを用いた結果,ビリルビンF・C20mg/dL,ヘモグロビン500【はじめに】血液培養は感染症診断において重要な役割を担っている.当院検査室では以前より血液培養検査の検出率向上を目指し,複数セット採取を推進している.今回,過去5年間における血液培養の複数セット採取率,陽性率,検出菌などの動向について調査したので報告する.【対象・方法】2013年4月から2018年3月までの5年間に当院入院患者および外来患者から採取された血液培養検体7,062件を対象とした.血液培養機器はBACTEC FX(日本BD)を使用し,7日間培養を行った.【結果】複数セット採取率(小児科検体:3,114件を除く)は75.4%(2013年),85.9%(2014年),94.5%(2015年), 95.0%(2016年),95.7%(2017年)であった.陽性率は12.3%(2013年),12.8%(2014年), 15.2%(2015年),17.8% (2016年),18.0% (2017年)であった.-Centaur XPTを用いた性能評価-mg/dL,乳び2000ホルマジン濁度まで影響は認められなかった.(6)検討試薬とケミルミACS-iPTH(従来試薬)の相関性をn=55で検討した結果,回帰式y=0.9172x+2.7934,相関係数r=0.9985だった.(7)2濃度の試料を作製し測定した結果,冷蔵保存で48時間,凍結保存で14日間影響は認められなかった.(8)当施設で使用している容器6種類(A~F)を用いて試料の移し替えを5回行い,0回目の濃度を100%として変化率を求めた結果,5回目までの各容器の最大変化率は,A:81%,B:88%,C:88%,D:85%,E:94%,F:92%だった.【考察】容器移し替えによる影響については,容器の材質の違いによる差は殆ど認められなかったが,容量の小さい容器E及びFで変化率が低かったことから,試料が容器に触れる表面積がPTHの吸着量に影響したと考えられる.【結語】ケミルミ インタクトPTHは基礎的検討及び相関性において良好な結果が得られた為,日常の臨床検査試薬として有用である事が確認できた.また,検体量が減った事により,患者の負担軽減や容器への移し替えも減少すると思われる.               連絡先:048-912-3113(直通)◎杉田 勝樹1)、宗方 仁美1)、上ノ山 尭哉1)、綿引 望1)、石川 純也1)、髙橋 綾子1)、小林 竜一1)◎杉田 勝樹1)、宗方 仁美1)、上ノ山 尭哉1)、綿引 望1)、石川 純也1)、髙橋 綾子1)、小林 竜一1)上尾中央医科グループ 上尾中央臨床検査研究所1)上尾中央医科グループ 上尾中央臨床検査研究所1)◎千葉 明日香1)、稲垣 理絵1)、前田 友子1)、高村 さをり1)、石井 直美1)、五十里 博美1)、桜井 義一1)、渋谷 賢一1)◎千葉 明日香1)、稲垣 理絵1)、前田 友子1)、高村 さをり1)、石井 直美1)、五十里 博美1)、桜井 義一1)、渋谷 賢一1)越谷市立病院1)越谷市立病院1)EntryNo. 13EntryNo. 6当院における血液培養実施状況と分離菌についてケミルミ インタクトPTHの基礎的検討-Centaur XPTを用いた性能評価-免-4(第1会場 11:05~11:24)微-1(第4会場 9:30~10:07)

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