埼臨技会誌 Vol
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微生物3株(7.7%), Klebsiella 71POT法によるカルバペネム耐性大腸菌の疫学解析当院におけるカルバペネム耐性腸内細菌科(CRE)の分離状況◎柳原 伸江1)、渡辺 駿介1)、白石 将也1)、猪野 晋慶1)、野瀬 和彦1)◎柳原 伸江1)、渡辺 駿介1)、白石 将也1)、猪野 晋慶1)、野瀬 和彦1)深谷赤十字病院1)深谷赤十字病院1)◎森泉 茉耶1)、佐々木 真一1)、森 圭介1)、古畑 健司1)、霜島 正浩1)◎森泉 茉耶1)、佐々木 真一1)、森 圭介1)、古畑 健司1)、霜島 正浩1)株式会社 ビー・エム・エル総合研究所1)株式会社 ビー・エム・エル総合研究所1)pneumoniae oxytoca 連絡先:048-571-1511(内線1877)【はじめに】 カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)は,院内アウトブレイクを起こす危険性があるうえ,その感染症は感染症法5類全数把握疾患でもあることから,検出状況を監視するべき耐性菌の一つである。今回,当院の臨床材料から分離されたCREの検出状況について調査したので報告する。【方法】2015年1月1日から2018年6月30日の期間に,当院で分離され薬剤感受性試験を実施しCREと判定された39株を対象とした。βラクタマーゼ検出法はSMA法を用いSMA法が陰性の場合にCIM法を追加実施した。【結果】 調査期間中における全検体数に対するCREの検出率は0.29%(検出数39株),検出菌種はEnterobacter cloacae 24株6株(15.4%),Citrobacter (61.5%),Klebsiella freundii 3株(7.7%),Escherichia coli 2株(5.1%),Enterobacter aerogenes 1株(2.6%)であった。また検体別では,便14検体(35.9%),喀痰【目的】カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)感染症は,重症および難治性感染症患者に対し使用されているカルバペネム系薬に耐性を示す腸内細菌科細菌による感染症である.本邦での腸内細菌科細菌のメロペネム耐性は1%未満であるが,海外の多くの国ではKPC型やNDM型が問題となっている.今回われわれは,本邦全域から分離されたカルバペネム耐性Escherichia coliについて,POT法を用いた解析を実施したので報告する.【対象および方法】2014年9月から2015年7月までに当研究所にてCREと判定されたE.coli 93株を対象とした.POT法は,シカジーニアス®分子疫学解析POTキット(大腸菌)を使用し,添付文書に従い測定を実施した.【結果】POT法による解析の結果,今回用いた93株において相同性は認められなかった.ESBL遺伝子は,CTX-M-2陽性が70株(75.2%),CTX-M-1陽性が22株(23.7%),CTX-13検体(33.3%),尿4検体(10.3%),ドレーン排液3検体(7.7%),膿3検体(7.7%),血液1検体(2.6%),胆汁1検体(2.6%)であり,便と喀痰からの検出が同程度であった。耐性機序については,メタロβラクタマーゼ産生菌が28株(71.8%),カルバペネマーゼ非産生菌が10株(25.6%)であった。なお,検出された39株のうち,入院時に採取された検体から検出されたものが4株あった。【まとめ】当院で検出されるCREの菌種はEnterobacter cloacaeが多く,検出検体種は便と喀痰が多い傾向であった。検出傾向M-9陽性が20株(21.5%)であった.また,84株(90.3%)の株がST131であった.【考察】今回使用したカルバペネム耐性E.coli 93株は,相同性は認められずプラスミドによる接合伝播が示唆され,90%以上の株が病原性の高いとされる世界的流行株のST131であった.また,カルバペネム耐性と同時にESBL産生株であることから,今後さらなる動向調査が必要であると考えられを把握し,院内感染防止対策に有用な情報提供を行うとともに,連携医療機関との情報共有も必要であると思われる。た.連絡先:株式会社ビー・エム・エル総合研究所細菌検査課電話番号:049-232-3133(直通)EntryNo. 49EntryNo. 57当院におけるカルバペネム耐性腸内細菌科(CRE)の分離状況POT法によるカルバペネム耐性大腸菌の疫学解析微-4(第4会場 10:08~10:45)微-5(第4会場 10:08~10:45)

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