埼臨技会誌 Vol
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③SPP検査から診察(処置)までの取り決め ④医師・看護師・理学療法士とのコミュニケーション【結果】SPP検査・リハビリ・処置が一か所で実施可能となったことで,患者が移動する負担軽減・待ち時間の軽減に貢献出来た.また,検査値からリハビリの効果や,処置後の状態等,患者の経過を多職種の視点を通し診る機会を得たことで,検査技師として検査の重要性について再認識することが出来た.【まとめ】臨床検査技師が診察室で検査を実施する取り組みを行ったことで,フットケアチーム医療に携わることができた.チーム医療には各専門職の協働とコミュニケーションが必要不可欠だが,専門知識の教育,多職種との連携を図ることは容易ではない.その為,教育体制の確立を図り,専門職がやり甲斐を持って協働できるための歩みが必要だと思われる.6月27日右側大腿動脈、左側外腸骨動脈に対して経皮的血管形成術(PTA)を施行。2018年4月17日右側大腿動脈に対してPTAを施行した。エンドパットはPTA施行前後に実施し、PTA施行前RHI指数は1.24であったのに対し、PTA施行後のRHI指数は1.45と改善傾向であった。[考察]検査導入後、約1年経過するが件数依頼がまだ多くなく、今回実施した全11症例に対し有効性の評価には至っていない。しかし症例を提示したように、治療後の血管内[はじめに]近年、生活習慣病などによって引き起こされる血管内皮機能低下が、動脈硬化や心疾患・脳疾患の重要なリスク要因の一つとして言われている。Endo-PAT検査(以下エンドパット)は動脈硬化の早期発見・予防に役立つと期待され、当院では2017年6月よりエンドパットを導入し、血管内皮機能検査を行っている。そこで当院の検査手技と経験した1症例を紹介する。 [対象・方法]対象:2017年6月~2018年4月(11ヶ月)の期間で実施した11件。方法:検査3時間前の水以外の飲食禁止及び煙草を吸っていない状態で検査を実施。仰臥位の連絡先 048-773-1111(内線2250)84当院でのEndo-PAT検査導入と使用経験について臨床検査技師におけるフットケア外来参加への取り組み◎小笠原 霞1)、前川 裕子1)、倉重 智子1)、石井 尚子1)、塚原 晃1)、高山 好弘2)◎小笠原 霞1)、前川 裕子1)、倉重 智子1)、石井 尚子1)、塚原 晃1)、高山 好弘2)戸田中央医科グループ 戸田中央総合病院1)、TMG本部 臨床検査部2)戸田中央医科グループ 戸田中央総合病院1)、TMG本部 臨床検査部2)◎河口 善博1)、関根 志帆1)、堀 紗来1)、川野 智美1)、長谷川 卓也1)、菊池 裕子1)◎河口 善博1)、関根 志帆1)、堀 紗来1)、川野 智美1)、長谷川 卓也1)、菊池 裕子1)医療法人社団愛友会 上尾中央総合病院1)医療法人社団愛友会 上尾中央総合病院1)状態で利き手と反対側にマンシェットを巻き、両手の第2指にプローブを装着し、5分間安静にした後、5分間駆血する。駆血を外して5分間、動脈の拡張機能が自動的に測定され、血管の広がりやすさを表すRHI指数で内皮機能の評価を行う。RHI指数が2.10以上で良好、1.68~2.09で問題のない状態、1.67以下で要注意となる。以下、当院で経験した1症例を示す。[症例]70歳代男性。既往歴:閉塞性動脈硬化症。2017年【はじめに】当院は2017年8月よりフットケアワーキングを設立し,フットケア外来開始と同時に生理検査室で皮膚組織灌流圧(以下SPP)検査を開始した.SPP検査は末梢血管領域において,下肢虚血の重症度評価を行う検査法として重要である.フットケア外来開始当初は,生理検査室でSPP検査を実施していたが,チーム医療の一員として携わるため,診察室へ場所を移しSPP検査を開始したので,取り組みについて報告する.【運用前科内準備】検査技術科からフットケアワーキングに参加している臨床検査技師2名でSPP検査を開始した.SPP検査開始当初は,測定部位・検査値が正確なのか判断がつかず,壊死・壊疽等傷の扱い方についても不慣れだった為,検査の都度医師に確認を行いながら検査を施行していた.【フットケアワーキングでの活動】診察室でのSPP検査の実施にあたり,以下の4つに重点を置いて取り組みを実施した.①SPPの検査を実施できる技師の育成 ②他施設のSPP手技と運用の見学皮機能評価を数値化できる事で、治療効果が客観的に評価可能となり、臨床検査技師の検査結果に対する判断にも有用である事が示唆された。[結語]血管内皮機能は将来の心血管リスクの予測因子としても有用であり、RHI指数が低値を示すと、治療の既往がある患者は再狭窄や新たな病変の発生予測にも使用できる事が期待されている。現在当院では心臓血管内科中心に検査を実施しているが、今後、血内皮機能障害を発見出来るエンドパットを他科にも検査依頼を勧めていく予定である。連絡先:048-442-1111(内線2824)EntryNo. 83EntryNo. 80当院でのEndo-PAT検査導入と使用経験について臨床検査技師におけるフットケア外来参加への取り組み生-17(第5会場 13:52~14:19)生-18(第5会場 13:52~14:19)

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