生涯教育レポート 2
      
        



     日 時 : 2024年524   1900分〜2030

     会 場 : ソニックシティビル601号室         点数:専門教科−20点


     主 題 : 2024年CLSIドキュメントの変更点について




     講 師 :原 みゆき(ベックマン・コールター株式会社)
      





    参加人数 : 30名


     出席した研究班班員 :酒井利育、今井芙美、岸井こずゑ、佐々木真一
             伊波嵩之、渡辺駿介、大塚聖也、山本早紀


    

    《研修内容の概要・感想など》

 今回の研修会は「2024CLSIドキュメントの変更点」について原氏を講師に開催した。
 CLSIの一部ドキュメントはホームページから無料で閲覧することができる。今年から閲覧の際にログイン画面が表示されるようになったため、まずはユーザー登録方法について紹介があった。
ホームページの
TOP画面右上にあるサインインから名前や病院名、メールアドレスなどの必要事項を入力・登録することでドキュメントの閲覧が可能となる。急にログイン画面が表示されるようになり、戸惑った方も多かったのではないだろうか。簡単に登録可能なため、まだの方はぜひ試していただきたい。

 次にM100ドキュメントの変更点について解説があった。Table1では薬剤感受性検査を実施・報告すべき抗菌薬が、菌グループ毎に記載されている。報告薬剤はTier1~44つのグループに分けられており、Tier1から順に最初に感性となったグループの薬剤を報告することが望ましいとされている。ED34ではこれまでの菌グループにNeisseria meningitidisが新たに追加となった。嫌気性菌についてはED33ではグラム陽性菌、グラム陰性菌でグループが分かれていたが、嫌気性菌として1グループにまとめられた。  
 Table2では菌グループ毎のブレイクポイントが記載されているが、ED34では
Salmonella and Shigella sp.Enterobacteralesから新たに独立した。
元々
Salmonella sp.Shigella sp.ではEnterobacteralesと異なるブレイクポイントが設定されている薬剤や報告対象外の薬剤があったため、Tableが分かれたことで表が見やすく改善されている。Stenotrophomonas maltophiliaではMINOのブレイクポイント変更とCAZのブレイクポイント削除があった。またST合剤について抗菌薬治療に単独で使用すべきでないとのコメントが追加となっている。
 そのほかとしては
Enterobacteralesでカルバペネマーゼ産生が確認された株については、CFPM“S”“SDD”の結果は報告すべきでないとのコメントが追加されたと報告があった。

 CLSI M100ドキュメントは毎年改訂されている。変更点はドキュメントの
“Overview of Changes”にも記載されているが、研修会で解説を聴くことでより
理解が深まると思われた。

 

 

      

                                文責:今井芙美

 



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