生涯教育レポート 2

         

    微生物検査研究班・公衆衛生検査研究班  合同研修
                     

     日 時 : 平成 27514    1900分〜2030

     会 場 : 大宮ソニックシティ 603号室     点数:専門教科−20点

     主 題 :輸入感染症について学ぼう! 「デング・マラリア・エボラを中心に」
       
          
      講師 :春木 宏介  ( 獨協医科大学越谷病院 臨床検査部 教授 )
           


   参加人数 :74名
     出席した研究班班員:(公衆衛生検査研究班) 菊地孝司、長崎広美、穴原賢治、
                                 榊原外江、立塚梓
                 :(微生物検査研究班) 永野栄子、金田光稔、砂押克彦、
                           荻野毅史、佐藤 香里、酒井利育、牧 俊一
                  

    《研修内容の概要・感想など》

 今回の研修会では、「輸入感染症について学ぼう!」というテーマで講演をして
いただいた。輸入感染症とは、日本に存在しない感染症や稀な感染症と思っていま
したが、日本にも存在する市中感染症が海外で流行して海外渡航者によって持ち込
まれる場合や海外で医療行為を受けて医療関連感染で問題となる多剤耐性菌も含ま
れるとのことでした。マラリアについては、経験された症例で解説していただいた。
西アフリカから帰国後、発熱と下痢で医療機関を受診したが、マラリアを疑わない
ため診断治療が遅れた症例と、最初からマラリアを疑い、血液塗抹標本でマラリア
原虫を認め、すぐに治療が開始され治癒した症例だった。最初の症例は本人が予防
内服の重要性に気づいていたものの医療機関の受診には至らなかったので、旅行業
者や渡航者の教育・啓蒙が今後の課題と話されていた。

輸入感染症を見逃さないために、渡航歴を訪ねる習慣を身につける必要があり、
渡航地域、期間、渡航に関する予防内服・ワクチンの有無、渡航先で医療機関を受
診したかが重要とのことでした。しかし、
E型肝炎や狂犬病は潜伏期が1ヶ月以上、
三日熱マラリアは数か月から数年を経て発症することもあるので、注意が必要である。

今回の講演を聴講し、輸入感染症の検査は、血液検査室、微生物検査室、一般検査
室など複数の検査室で行うことから検査室間でのコミュニケーションにより、情報を
交換し混合感染を見逃さないようにしなければならない。また検査を行う私たちが感
染しないように検査体制をもう一度考え直す必要性があると感じた。

                                  平成27年5月31日

                                 文責: 永野 栄子  


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