生涯教育レポート 3

        

    微生物検査研究班・公衆衛生検査研究班  合同研修
                     埼玉県衛生研究所 共催


     日 時 : 平成 27613   1330分〜1540

     会 場 : 埼玉県衛生研究所             点数:専門教科−20点

     主 題 :衛生研究所で学ぼう
       1.腸内細菌(3類感染症)について
       2.寄生虫類について
       3.感染症法改正について
       
          
      講師 :倉園貴至、山本徳栄、青木敦子 ( 埼玉県衛生研究所 )
         
      共催: 埼玉県衛生研究所  


   参加人数 :28名
     出席した研究班班員:永野栄子、渡辺典之、佐藤 香里、酒井利育、荻野毅史、
                  小西光政、砂押克彦、牧 俊一 (微生物検査研究班)
                 : 菊地孝司、穴原賢治、富井貴之、榊原外江、鈴木 勤、
                  阿保一茂、長崎広美 (公衆衛生検査研究班)

    《研修内容の概要・感想など》
 

移転後の埼玉県衛生研究所での2回目の研修会であった。今回は、事情により、従来
より続けていた菌株供覧や寄生虫の標本観察が実施できず、かわりにスライドを用いた
講義中心の研修であった。講義は、3つのテーマで行われた。

まず最初は、倉園氏が、腸内細菌(3類感染症)について、県内の検出状況の説明と
各種細菌の(コレラ、赤痢菌、チフス菌・パラチフス
A菌、腸管出血性大腸菌など)につい
て、コロニー写真や各種培地での生化学的性状の写真を示しながら、検査におけるポイ
ントなどの説明をされた。

次に、「寄生虫類について」では、山本氏が、各種寄生虫について、静止画像だけでなく
動画も使用して、説明された。実際に寄生虫が動いている姿は、皆ほとんど見たことがな
く、参加者には印象深い講義となった。研修会終了後も 配布資料を職場に余分に持ち
帰りたいという受講者が多かった。

最後は、臨床微生物担当の青木部長の講義で「感染症法の改正について」であった。
昨年の感染症法の改正に伴う感染症発生動向調査事業の変更点について、現行の事業
説明をされ、その後、平成26年11月26日に成立した感染症法改正の内容、とくに「感染
症に関する情報の収集体制の強化」、知事が医療機関等に対し保有する検体を提出する
こと等を要請できる旨の規定が整備され、検体・病原体提出の要請、収去、措置が行われ
るようになることの説明があった。検体の提出を求められることの多い医療機関や検査セン
ターと保健所・衛生研究所のより一層の協力態勢が望まれる。

今回、菌株供覧と寄生虫の標本観察がなくなったこともあり、参加者が28名と少なかった。
参加者からは実習を望む声が多かった。研修の目的である「普段めったに目にすることがな
いが、決して見落としてはいけない病原体を覚える」ということが、スライドだけで理解できただ
ろうか。自分の眼で確認すること、それも一度のみならず、毎年毎年繰り返してみることも重要
である。新人だけでなく、ベテランにとっても必要な研修会であったが、今後、どのようにすれば
有意義な研修になるか、さらなる検討が必要である。

 平成27617

                              文責: 砂押 克彦 


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