生涯教育レポート 5

        



     日 時 : 平成 27918   1900分〜2030

     会 場 : 大宮ソニックシティ  604号室         点数:専門教科−20点

     主 題 :結核・非結核性抗酸菌について
        
          
      講師 :永禮 旬  ( 極東製薬工業株式会社 総括部 顧問 )
         
     
    参加人数 :75名

     出席した研究班班員
    微生物 :永野栄子、金田光稔、砂押克彦、小西光政、佐藤 香里、酒井利育、牧 俊一
    公衆衛生:阿保一茂、長崎広美、穴原賢治、立塚 梓、菊地孝司

    《研修内容の概要・感想など》

 岡山県を中心に長年ご活躍され、現在は極東製薬工業株式会社で総括部顧問となった永
禮(ながれ)氏を講師に迎え、『結核・非結核性抗酸菌について』のテーマで研修会を行った。
講義は@結核の現状、A抗酸菌検査の特性、B非結核性抗酸菌についての解説で、内容は
以下のとおりであった。


 @結核の現状では、2013年罹患率は全国で16.1(埼玉県14.5)と微減傾向であったものの
26.47.7と地域に大きな差があること、平成25年度新規登録患者は依然として70歳以上の
高齢者が
57.4%を占めていること、近年は集団感染事例が増加していることも注目すべき点と
のことであった。

 A抗酸菌検査の特性では、検査一連の流れをフローチャートで提示、直接・集菌法による塗
抹は
3日間連続で実施することで累積陽性率90%以上に上がること、適切な前処理実施による
雑菌汚染率の許容範囲は
25%で、固形と液体それぞれの培地には利点と欠点があり併用が
望ましいとのことであった。

 B非結核性抗酸菌:NTMでは、NTM症死亡数は増加傾向であること、NTMに代表するMAC
池・沼などの水や土壌、トリ・ブタ・ウシなどの動物を含む自然環境や水道水、飲料水システム、
シャワーヘッド、プールの水などの居住環境に広く生息していること、病院施設では洗面所や
排水口、蛇口などから多く分離されるとのことであった。遺伝子解析や質量分析法の進歩に
より
2013160菌種7亜種の抗酸菌分類は今後さらに増加するであろうとのことであった。

 今回の講義は、微生物を担当する私達技師にとって改めて『抗酸菌の知っておきたい現状
と検査の進め方』を考える良い機会となった。これから経験を積まれる若手技師のみなさんに
も、抗酸菌検査は過去のモノではない!ということを知って頂き、今後も抗酸菌に関する研修
会を企画したいと考える。

 提出日: 平成 27925

                             文責: 小西光政



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