生涯教育レポート 1

        



     日 時 : 平成 29421   1900分〜2030

     会 場 : 大宮ソニックシティ  604号室         点数:専門教科−20点


     主 題 :もう一度確認しよう!


     講演1 2017年CLSIドキュメントの主な変更点
          
   講 師 :松田 聡 (ベックマン・コールター株式会社)


     講演2 平成28年度埼玉県・埼玉県医師会 臨床検査精度管理事業報告
          
   講 師 1:渡辺 典之 (埼玉医科大学国際医療センター)
   講 師 2:酒井 利育 (自治医科大学さいたま医療センター)
   講 師 3:川又 大右 ((株)戸田中央臨床検査研究所)
   講 師 4:永野 栄子 (獨協医科大学越谷病院)

    
    参加人数 :52名


     出席した研究班班員 :渡辺 典之、永野 栄子、金田 光稔、砂押 克彦、小西 光政、
                  酒井 利育、、森 圭介、小棚 雅寛、牧 俊一
    

    《研修内容の概要・感想など》

 本年度最初の研修会で、「もう一度確認しよう!」を主題として、「2017CLSIドキュメントの
変更点と「平成
28年度埼玉県医師会臨床検査精度管理事業報告」の2つのテーマについて各
講師に講演していただいた。


 2017CLSIドキュメントの主な変更点では、疫学的カットオフ値(ECV)の定義の明確化につ
いて説明があり、それに伴い腸内細菌科細菌および淋菌におけるECVの設定について解説さ
れた。また、
Pseudomonas aeruginosa やブドウ糖非発酵菌におけるコリスチンとポリミキシンB
のブレイクポイントの変更や削除について説明があった。また、新たなカルバペネマーゼ確認試
Modified Carbapenem Inactivation Method (mCIM)の測定手順や検査成績(感度・特異度)
について解説された。
mCIMは、検査方法が簡便で特別な試薬等も不要であり、感度・特異度と
もに報告では良好な結果であった。
CLSIドキュメントに記載されたこともあり、CPEが疑われた
場合には有用な検査法と感じた。他にも
Staphylococcus aureusSCVs:small Colony variant
CNSのオキサシリンについてのコメント追加が解説された。CLSIドキュメントは毎年更新され
ているため、新しい知識を得て日々の検査に役立てることが重要と感じた。

精度管理報告と解説では、フォト(バーチャルスライド含む)、同定、薬剤感受性、グラム染色
の結果と評価方法について説明していただいた。フォトは、全ての項目で評価
A97.5%以上
と極めて良好な結果であった。同定では、
Cryptococcus neoformansの設問で評価A83.7
にとどまったため、臨床所見や選択培地の特性について写真を用いて詳細に解説された。薬剤
感受性検査は、耐性
菌の基準やディスク拡散法の判定方法の説明があり、グラム染色では大
腸菌のグラム染色像と急性単純性膀胱炎の起炎菌や分離菌について解説していただいた。

各設問において評価が悪かった施設は、問題点を見直し、改善していくことが重要である。

 

平成2952

文責:渡辺 典之

 


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