生涯教育レポート 1
      
        



     日 時 : 平成 30420   1900分〜2030

     会 場 : 大宮ソニックシティ  604号室         点数:専門教科−20点


     主 題 :確認して役立てよう!


     講演1 2018年CLSIドキュメントの主な変更点
          
   講 師 :横山 翼 (ベックマン・コールター株式会社)


     講演2 平成29年度埼玉県・埼玉県医師会 臨床検査精度管理事業報告
          
   講 師 1:毛利 光希 (埼玉県立小児医療センター)
   講 師 2:酒井 利育 (自治医科大学さいたま医療センター)
   講 師 3:小棚 雅寛 (埼玉医科大学病院)
   講 師 4:永野 栄子 (獨協医科大学埼玉医療センター)

    
    参加人数 : 70名


     出席した研究班班員 :渡辺 典之、砂押 克彦、永野 栄子、酒井 利育、小棚 雅寛、
                  毛利 光希、森 圭介、千葉 明日香、今井 芙美、牧 俊一
    

    《研修内容の概要・感想など》


 本年度最初の研修会で、「確認して役立てよう!」を主題として、「2018CLSI
ドキュメントの変更点」と「平成29年度埼玉県・埼玉県医師会臨床検査精度管理事業
報告」の2つのテーマについて各講師に講演していただいた。


 2018CLSIドキュメントの主な変更点では、Clostridium difficileVCMに対する
疫学的カットオフ値の設定について解説された。また菌種名が、Clostridioides
difficile
に変更になり、他にもPropionibacterium acnesCutibacterium acnes
Enterobacter aerogenesKlebsiella aerogenesなど日常的に検出頻度の高い菌種名
が変更となった。臨床側へ報告する際には、事前に十分な説明が必要であり、自施設
でどのように対応するか考慮しておく必要がある。またカルバペネマーゼの確認試験
としてmCIMの他にeCIMが追加となり、検査方法の説明と判定方法について解説された。
セリン型βラクタマーゼとメタロ型ラクタマーゼを鑑別する際に有用な検査であるが、
臨床的または感染対策的に有用な検査なのかは疑問があり、総合的に判断する必要が
ある。他にも、Staphylococcus schleiferiMPIPCのブレイクポイントの変更につい
ての説明があった。
CLSIドキュメントは毎年更新されているため、新しい知識を得て
日々の検査に役立てることが重要と感じた。

精度管理事業報告と解説では、フォト(バーチャルスライド含む)、同定、薬剤感
受性、グラム染色の結果と評価方法について説明していただいた。フォトは、全ての
項目で評価A95%以上であった。バーチャルスライドは、初めて抗酸菌について出
題したが、グラム染色の判定基準で回答している施設が15施設あったため、コード表
の記載について工夫すると報告があった。
同定では、評価A97.5%以上と極めて良
好な結果であった。
薬剤感受性検査は、H. influenzaeCTRXで評価A83.8%に留
まった。耐性菌の基準や
ディスク拡散法の判定方法日々の精度管理について解説さ
れた。また、発育の悪い菌を出題する際の検体準備について課題があった。グラム染
色は、極めて良好な結果であった。

各設問において評価が悪かった施設は、問題点を見直し、改善していくことが重要
である。
 

平成3053

文責:渡辺 典之

 


                生涯教育レポート 履歴 TOPへ           微生物 TOPへ