生涯教育レポート 2

                   

微生物検査研究班・公衆衛生検査研究班 合同研修

  実施日時 :平成23年5月20日(金) 19時00分〜20時30分
  会 場   :大宮ソニックシティ 604号室    点数:専門教科−20点
  主 題   :1.呼吸器感染症の新たな遺伝子検査法
          2.LAMP法の臨床応用を考える
  講 師   :1.高野 弘(栄研化学(株)市場対策室 LAMP推進部)
          2.舟橋恵二(江南厚生病院 臨床検査技術科)
  共 催   :栄研化学株式会社   参加人数 :51名
  出席した研究班班員:
      (微生物検査研究班)荻野毅史、古畑健司、金田光稔、直井健治、砂押克彦、
                   永野栄子、牧 俊一、佐藤香里
      (公衆衛生検査研究班)阿保一茂、長崎広美、菊地孝司、榊原外江、富井貴之

《研修内容の概要・感想など》
 今回は、「呼吸器感染症の新たな遺伝子検査法」と「LAMP法の臨床応用を考える」と題して、昨今話題となっている、日本で開発された遺伝子増幅検査方法である「Loop-Mediated Isothermal Amplification」、通称「LAMP法」の研修会を実施した。遺伝子増幅法といえば「PCR法」が代名詞のように取上げられているが、方法論は多種多様にあり、「LAMP法」もその1つである。
 1演題目は栄研化学且s場対策室LAMP推進部の高野弘講師にLAMP法の原理、検出可能な微生物の種類、結核菌の検出を中心にプロトコールの紹介をしていただいた。講義では、実際の器材、測定機器を研修会の場所に持ち込み、また、動画を利用した操作方法の説明など、臨場感のある講義をしていただいた。ポイントは「検体の前処理が簡便」であることのように感じた。今年の4月にLAMP法による結核菌検査が厚労省から認可されたとのことであった。
 2演題目では、検査の現場で実際にLAMP法を導入し、検査に使用している、江南厚生病院 臨床検査技術科の舟橋恵二講師に講義をしていただいた。一般的に遺伝子検査のメリットは、発育困難な細菌、培養時間が長い細菌、人工培養が困難なウイルスに有用であると多数報告されている。舟橋先生の施設では、主に培養での発育が困難かつ培養時間が長い百日咳菌の検出に使用していた。また、講義の中では近年、百日咳の症例も増加していて今後、ニーズが増えてくるのではないかとのことであった。今後、保険認可の壁はあるが、安価、迅速、容易に検出が可能なLAMP法の将来性を感じた。
                        文責: 金田光稔


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