《研修内容の概要・感想など》
　今回は、「薬剤感受性検査の結果を活かすために　〜抗菌薬の基礎知識〜」と題して、栄研化学株式会社マーケティング推進室の山口重人氏に講演をしていただいた。
　抗生物質の種類、分類、構造式など基本的な内容から、抗菌薬の使用方法、選択基準、治療の原則などの医療現場でどのような判断で治療の方針を決めるか、さらにＰＫ/ＰＤ理論に基づく体内での薬物動態の考え方について講演していただいた。
　抗生剤の選択では、理想を言えば、起炎菌を決定し薬剤感受性結果に基づいて使用する抗生剤を決定するのが良いが、培養結果には数日かかり、また必ずしも起炎菌を決定できるとは限らない。そういった場合は臨床所見・病態から類推したり、顕微鏡検査の結果などからおおまかに菌を推定したりすることが必要である。さらに、抗生剤使用時は抗菌力、抗生剤の感染組織への移行性、年齢や副作用、他の投与薬とのマッチングを考慮しなければならない。
　本講演で、そのための基礎的な知識を習得して欲しいと感じた。

平成24年9月10日
文責：金田光稔