活動報告

輸血と臨床シリーズ 講演1アルブミンの適正使用に関する指針/講演2泌尿器科手術、どんなときに出血する?

生 涯 教 育 研 修 活 動 報 告 書

           輸血検査研究班  

1 実施日時: 令和 元 年10月11 日 19 時 00 分 ~ 20 時 30 分

2 会 場 : 大宮ソニックシティ 603号室 点数: 専門教科 ― 20 点
3 主 題 : 輸血と臨床シリーズ 講演1アルブミンの適正使用に関する指針
講演2泌尿器科手術、どんなときに出血する?
4 講 師 : 講演1中村滋(日本血液製剤機構)、講演2矢内原仁(埼玉医科大学病院)        
5 協 賛 :

6 参加人数: 会員 29
 賛助会員 0
 非会員 0
 学生 0


7 出席した研究班班員:
山田攻、久保居由紀子、宮澤翔子、小原佑太、小林真弓

8 研修内容の概要・感想など
臨床現場における輸血をテーマにしたプログラムである。1講演目は「アルブミン製剤の適正使用に関する指針について」である。講演ではアルブミン製剤が「血液法」によって国内自給原則の安定供給体制を確保して、適正使用の推進が求められる一方で「薬機法」において「特定生物由来製品」とされ「保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための措置を講ずることが必要なもの」と述べている。アルブミン製剤使用にあたり、我々はアルブミンを扱ううえで安全性と、使用対象や量などについて適応性を常に考慮する必要があると痛感した。講演ではアルブミン適正使用を行なう取組方が示され、大変参考になった。
2講演目は「泌尿器科手術 どんなところで出血」である。講師は外科医の立場から様々な泌尿器関連の手術動画を紹介しながら、出血に至るケースを取り上げている。通常輸血検査室では出血が発生した後の血液製剤受け渡しが業務の中心であり、普段見る機会が非常に少ない手術の現状を体験できたのは貴重な経験であった。出血に至る要因は様々であるが、実際に大量出血に向かう過程は予想以上に短いこと、多くは出血部の特定が容易でないこと、また出血後において手術現場全体にかなりの緊張感が広まる点を実感した。近年検査技師が手術室に出向する機会も増えている。輸血検査室では出血時の製剤を迅速に供給することは当然として、今後はより踏み込んだ関わりを模索する必要があると感じた講演であった。
当日は大型台風が関東地方に接近していた為、参加者が少ない点が惜しまれた。今後改めてこのような講演を行う機会を設け、多くの検査技師に聴講いただきたいと考えている。
提出日: 令和 元 年 10 月7 日
文責: 山田 攻

How to 輸血精密検査~いちから学ぶ~ 不規則抗体・交差適合試験陽性時の対応~

生 涯 教 育 研 修 活 動 報 告 書

           輸血検査研究班  

1 実施日時: 令和 元 年9月 27 日 19 時 00 分 ~ 20 時 30 分

2 会 場 : 大宮ソニックシティ 602号室 点数: 専門教科 ― 20 点

3 主 題 : How to 輸血精密検査
~いちから学ぶ 不規則抗体・交差適合試験陽性時の対応~

4 講 師 : 西野 主眞(株式会社カイノス)
        
5 協 賛 :

6 参加人数: 会員 95
 賛助会員 1
 非会員 1
 学生 0


7 出席した研究班班員:
山田攻、久保居由紀子、宮澤翔子、小原佑太、野呂光恵

8 研修内容の概要・感想など
今年度の輸血研修会は輸血検査のレベルアップを目標に様々な輸血検査手技を学ぶことをテーマにしている。今回は、経験豊富な講師により、赤血球輸血に対する諸反応が起きた際の手順や方法・手技をわかりやすくまとめた発表となった。講演は不規則抗体検査と交差適合試験に二別され、簡易な解説とイラストにより初級者にも聞きやすい内容であった。不規則抗体検査は種類や意義、検査方法等の基礎的な説明の後、消去法による抗体同定検査にかなりの分量を割き詳細な説明を行った。更には追加パネルの使用や吸着解離試験など抗体特異性の特定にも言及していた。参加者の不規則抗体同定検査の理解に繋がれば幸いである。
交差適合試験は昨今のコンピュータクロスマッチも考慮して同種抗体消長のタイミングの説明等検体採取の注意を喚起している。更に検査上悩ましい寒冷凝集素や温式自己抗体の吸収操作にも触れ各種の方法を比較解説した。近年交差適合試験は手技方法の簡略化が進む傾向にある。しかしそれには意義・理由を熟知したうえで対応する必要があると感じた。
配付されたレジュメは参加者が文献などで補えば十分に各施設の業務マニュアルのベースになり得る資料であった。今回の講演をきっかけに参加施設の不規則抗体検査や交差適合試験の方法や採血方法などが再検討され、精密検査技術が向上するきっかけとなればと願う。
提出日: 令和 元 年 10 月7 日
文責: 山田 攻

2019年7月14日 輸血検査の手技を学ぼう・体験しよう~輸血検査実技研修会~

生 涯 教 育 研 修 活 動 報 告 書

            輸血検査 研究班

1 実施日時: 令和 元年 7 月 14 日 9時 00分 ~ 17時 00分

2 会 場 : 東武医学技術専門学校   点数: 専門 ― 20 点

3 主 題 : 輸血検査の手技を学ぼう・体験しよう~輸血検査実技研修会~  

4 講 師 : 輸血検査研究班員

5 協 賛 :

6 参加人数: 会員 午前32名、午後32
 賛助会員 0
 非会員 1



7 出席した研究班班員:山田 攻、渡邉 一儀、野呂 光恵、小林 真弓、宮澤 翔子
久保居 由紀子、小原 佑太、長谷川 卓也

8 研修内容の概要・感想など
 今年度も午前、午後に分けて実技研修会を開催した。
午前は初級者のためのコースとし血液型検査と不規則抗体検査をともに試験管法とカラム法にて実施してもらった。血液型検査は、正常の血液型検査を正しく判定出来る事と、異型輸血や亜型、疾患等で見られる部分凝集を見逃さないようにする事に重点をおいた。部分凝集は、中々見慣れていない受講者が多かった印象であった。
 午後は、中級者のためのコースとし、血液型検査、抗体解離試験、DTT処理を実施してもらった。「再発又は難治性の多発性骨髄腫」に効能・効果を有するダラザレックス®(一般名:ダラツムマブ)は造血器腫瘍細胞に高発現しているCD38と結合して抗腫瘍効果を発揮するが、不規則抗体検査や交差適合試験などの間接抗グロブリン法において偽陽性となることがある。今回の実技研修会では、上記の対応策であるDTT処理を実施したいとの要望が多かった為、研修内容に取り入れた。血液型検査は初級コースと同様に正常の血液型と部分凝集のある血液型の検査を実施してもらった。抗体検査は、直接クームス試験後に酸解離を実施してカラムにて抗体同定をした。DTT処理は、DTT溶液の取り扱いの注意点や処理の方法等を説明し体験をしてもらった。
 初級、中級コースともに実技に関連した筆記の課題も作成し、実技での合間に取り組んでもらった。筆記、実技で学んだ事が今後の業務に役立てばよいと思う。現在、実技研修会は会場の確保や譲渡血の関係等もあり、県規模で行われていない現状もある。当研究班では今後も参加者にも協力していただき実技研修会を継続して開催し、安全な輸血療法を実施する為の一助になれるように活動をしていきたいと考える。

提出日 令和元年 8月10 日

文責:長谷川 卓也(八潮中央総合病院)

2019年6月28年 よくわかる輸血検査の必須事項:基礎から応用まで-実技に関する事前講習会 初級編・中級編-

生 涯 教 育 研 修 活 動 報 告 書

           輸血検査研究班  

1 実施日時: 令和 元 年 6 月 28 日 19 時 00 分 ~ 20 時 30 分

2 会 場 : 大宮ソニックシティ 602号室 点数: 専門教科 ― 20 点

3 主 題 : よくわかる輸血検査の必須事項:基礎から応用まで
― 実技に関する事前講習会 初級者・中級者―   
講演1:血液型検査・不規則抗体検査           
         講演2:カラム凝集法・抗体解離(酸解離)         

4 講 師 : 講演1:小原 佑太(戸田中央総合病院)          
         講演2:宮澤 翔子(済生会川口総合病院)         

5 協 賛 :

6 参加人数: 会員 85
 賛助会員 1
 非会員 1
 学生 0


7 出席した研究班班員:
山田攻、渡邉一儀、長谷川卓也、久保居由紀子、宮澤翔子、小原 佑太、野呂光恵

8 研修内容の概要・感想など
今回の研修会は7月に行われる実技研修会の事前講習も兼ねており、輸血検査の基礎から応用まで、輸血前検査全般に関わる内容であった。初心者から指導者まで多くの会員が集まり、輸血検査への関心の高さが窺われた。
血液型、不規則抗体検査の講演では、検体の採取や有効期限、凝集反応の見方、精度管理など輸血前検査における基礎知識をはじめ、検査手技と結果の解釈、異常反応の原因と対応について症例問題を用いた解説が行われた。
カラム凝集法、抗体解離の講演では、検査法の特徴や原理のほかに、実技研修で使用するメーカーの試薬や機材を用いた操作手順や判定基準、結果の解釈など、実技研修で必要となる知識について、詳しく説明が行われた。また、今年の実技研修会(中級者向け)では、新たな取り組みとして、ダラツムマブ(多発性骨髄腫の治療薬)による偽陽性反応の対処法である「DTT処理」を行うため、手技などの説明があった。
安全な輸血を行うためには、適切な機器・機材・試薬を選択し、正しい手技で検査することが極めて重要となる。今回の研修会内容をよく理解して実技研修に臨んでいただき、スキルを身に着け、日々の業務に活用していただきたい。
提出日: 令和 元 年 7 月 3 日
文責: 野呂 光恵

2019年5月10日 平成30年度埼玉県・埼玉県医師会精度管事業報告/日当直で困らないために知っておきたい輸血検査の知識

生 涯 教 育 研 修 活 動 報 告 書

            輸血検査研究班

1 実施日時: 令和 元年 5 月 10日 19時00分 ~ 20時 30 分

2 会 場 : 大宮ソニックシティ 601号室 点数:専門教科 ― 20点

3 主 題 : 1: 平成30年度埼玉県・埼玉県医師会 臨床検査精度管理事業報告,
2: 日当直で困らないために知っておきたい輸血検査の知識 

4 講 師 : 1:宮川勇(小川赤十字病院)、2: 渡邉一儀(独協医科大学埼玉医療センター)

5 協 賛 :
から
6 参加人数: 会員 97
 賛助会員 2
 非会員


7 出席した研究班班員:
渡邉一儀,長谷川卓也,久保居由紀子,野呂光恵,小林真弓,宮澤翔子,小原佑太, 山田 攻

8 研修内容の概要・感想など
新元号となる最初の講演会は2演題-輸血業務の基礎となる精度管理の報告と,新しく輸血検査業務に従事した技師向けに日当直輸血業務を解説
を行った.宮川氏の講演は医師会精度管理の報告データについて詳細な解析を行ったものである.今年度は不規則抗体検査の成績が良好であった.しかし今年度から解答形式の記入負担を軽減する変更をしたにも関わらず,依然としてRh血液型検査では回答未記入やリスト外からの記入が多かった.またペーパー法等手技・検査法に起因する凝集の強さの見落としがみられたのは残念であった.
2演題目の渡邊氏の講演は,実際の日当直の場面を再現した環境下で起きうる様々な事象を,参加者と一緒に考察していく画期的な講演であった.参加者が架空の検査室で業務をしている仮定で検体提出から最終的に輸血製剤の選択に至るまでいくつかの質問に回答していく形式で講演が進行した.特に参加者はスマートフォンからあらかじめ配布されたQRコードを読み取ることで講演中の質問に参加できて,自分の回答が全体としてはどのくらいの比率で選択されたかを瞬時に確認することができた.講演の進行も楽しく,スライドの質問に対して周囲の技師どうしでディスカッションする光景も会場内でいくつも確認できた.
 提出日 令和 元年6 月10 日
 文責 山田 攻