第45回埼玉県医学検査学会を終えて

 2016年12月4日(日)大宮ソニックシティ市民ホール・小ホール・6階・9階の11会場にて、第45回埼玉県医学検査学会を開催いたしました。市民参加者171名を含め総参加者数1,358名と大変多くの参加をいただき誠に有難うございました。
 手探りで始めた本学会でしたが、テーマを考えるにあたり、現在日臨技が取り組んでいる臨床検査技師の業務認証(業務拡大)、病棟検査業務推進などに注目しました。その日臨技事業の成果のひとつである検体採取ですが、まだ日常業務化しているとは言い難い現状です。このようなことから今後、私達は新たな課題に直面することが予想されました。
 そこで本学会では、これら新たな課題を克服する目的をこめ、『挑戦』― 未来の私達のために ― をテーマに掲げ、学会企画に挑戦シリーズと称し、「広げよう検査技師の可能性」「Let’s検体採取!新たなる領域へ‼」「いざ!病棟採血」「ディズニーから学ぶ患者接遇」「神が教える統計学」を企画しました。実践的な研究班企画と違い、将来を見据えた企画のため集客に不安もありましたが、立ち見の企画もあり、講演を行ってくださった講師の方々、興味を持ち参加してくださった会員の皆様に感謝申し上げます。
 市民公開講演では、高齢化社会の問題のひとつである認知症予防を取りあげ、「認知症予防のエビデンス」「健康寿命を伸ばす医療」の2つの講演と、埼玉県立久喜高等学校音楽部による「いい顔・いい声・いい音楽」をテーマとした合唱を行いました。日本は長寿大国ではありますが、その生きている間健康かというとそうではありません。認知症予防は健康寿命を延ばすためにも重要で、今後、私達がいい年をとり続けるために不可欠と感じました。最後にクリスマスも近いことから、“きよしこの夜”を会場全員で合唱し、とても癒された会となりました。
 市民公開講演と並行して行われた学会企画、「Quiz当直業務に『挑戦』一人じゃ心配…そんなあなたの“力”になります‼」では、昨年に引き続きスマートクリックを用いたクイズ形式で、5研究班から出題を行っていただきました。問題は学生レベルから、実際に当直を行っている方々を考えさせるレベルまで、難易度にも工夫をいたした。
 技師向けの体験コーナーでは、新たな検査業務としての、味覚・嗅覚検査と認知症検査などを行いました。多くの方々に興味を持っていただきありがたく思います。
 「最初から最後まで1日いて有意義な学会」を作ろうと実行委員皆で企画しました。満足いただけたでしょうか?今回の実行委員メンバーの約半数は学会活動が初めての者でした。しかし、毎月行われる実行委員会を重ねるごとに成長し、学会当日には自信をもって責務・運営を行っておりました。この若い力が、今後の技師会を背負って発展させて行くものと確信しております。
 末筆にはなりましたが、学会を開催するにあたり、技師会理事・各研究班・技師会事務員・当日実務委員の皆様には大変お世話になり、心から感謝申し上げます。私自身、埼玉県済生会栗橋病院を退職し、現在は茨城県に住んでおりますが、埼玉県臨床検査技師会に所属し、埼玉県学会で学会長を務めさせていただけたことを、嬉しく思うと同時に誇りに感じております。皆さま、本当に有難うございました。

第45回埼玉県医学検査学会学会長
並木 薫